NHK『100分de名著』で、わが座右の書『人生論』(バートランド・ラッセル)が取り上げられます!

2017年11月06日

こんにちは。スタッフ押川であります。

NHK・Eテレで放送されている、文学や哲学・思想などの古典をわかりやすく解説する番組『100分de名著』。今月はイギリスの数学者・思想家であり、アインシュタインとともに平和運動にも取り組んだバートランド・ラッセルの『幸福論』(安藤貞雄訳、岩波文庫)を取り上げるんだそうです。

実はこの本、わたしにとっては座右の書といってもいいくらい、お気に入りの一冊なのです。番組で取り上げられるということで、いまあらためて読み返しているところです。

「幸福論」と銘打った書物はいろいろとあるのですが、いささか説教くささのある宗教的なものや、もってまわったもの言いの哲学的・文学的なものが多かったりいたします(むろん、それらの中からも有益な知恵を汲み取ることはできるのですが)。それに対してラッセルの『幸福論』は、あくまでも「合理的・実用主義的(プラグマティック)な幸福論」(巻末の訳者による解説より)であるというところに、わたしは強く惹かれます。
合理的かつ実用主義的であるがゆえに、本書の語り口は実に明快で具体的。現代の日本に生きるわれわれも、ここから多くのヒントや知恵を得ることができるに違いないでしょう。

競争、疲れ、ねたみ、被害妄想、世評に対するおびえ・・・。現代人を悩ませ、わたし自身の心もしばしば苛んでいる、これら不幸の原因についての分析を読んでいると、原書が1930年に刊行されたものとは思えなくなってきます。
ねたみの結果期待される「公平」とは「不運な人たちの快楽を増すよりも、幸運な人たちの快楽を減らすことを旨としている」、ひいては「公的生活をも破壊するものである」と述べられているところ。また、「重大な問題でもささいな問題でも、他人の意見が尊重されすぎている」ことにより「自ら進んで不必要な暴力に屈」して「あらゆる形で幸福をじゃまされることになる」という記述。いずれも、今の日本の少なからぬ人びとが抱えている状況と重ならないでしょうか。

本書の後半で、ラッセルが幸福獲得の条件として強く説いているのが、「自分の殻に閉じこもらずに、外の世界に関心と興味を向けること」です。
「幸福な人とは、客観的な生き方をし、自由な愛情と広い興味を持っている人である」と定義するラッセルは、幅広い事柄へ関心と興味を向けることの効用を、随所で熱っぽく語っています。そのことばには大いに共感し、かつ励まされるところが多々あります。
中でもわたしが強く共感することばは、以下の2つです。

「人間、関心を寄せるものが多いほど、ますます幸福になれるチャンスが多くなり、また、ますます運命に左右されることが少なくなる。かりに、一つを失っても、もう一つに頼ることができるからである。」

「幸福の秘訣は、こういうことだ。あなたの興味をできるかぎり幅広くせよ。そして、あなたの興味を惹く人や物に対する反応を敵意あるものではなく、できるかぎり友好的なものにせよ。」

人生への熱意を取り戻し、もっとしなやか、かつ楽しく有意義に生きていくためにも役立ってくれそうな、ラッセル流の幸福への処方箋。ぜひとも、多くの人に読まれてほしいと願います。そしてわたし自身も、思考と視野が狭くなっているようなときには本書に立ち返り、精神の糧としていきたいとも思います。
『幸福論』を取り上げる『100分de名著』の放送は、きょう11月6日からです。どのような切り口で紹介されるのか、楽しみに観てみることにしたいと思います。

Posted from スタッフ押川

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