『ひとりで えほん かいました』子どもたちが素敵な本と本屋さんに巡り会えますように・・・

2017年12月24日

こんにちは。スタッフ押川であります。

お誕生日に、手作りの「ひとりで おかいもの けん」をプレゼントしてもらったかおりちゃんは、それを持ってはじめて一人で絵本を買おうと本屋さんに行きます。
店内で迷子になっていた近所の男の子を助け、その子のお母さんを見つけ出したかおりちゃんでしたが、急におしっこがしたくなったり、今度は自分が迷子になってしまったり。かおりちゃんは無事に、お気に入りの絵本を見つけ出して買うことができるのでしょうか・・・?
本書『ひとりで えほん かいました』(くすのき しげのり作、ゆーち みえこ絵、アリス館)は、一人ではじめて絵本を買おうとする女の子と、それをとりまく人たちを描いた絵本です。

おしっこがしたくなった主人公に気づき、トイレに連れて行ってくれる女子高生。どの絵本にしようかと迷う主人公をサポートしてくれる店員さん・・・。本屋さんの空間とそこに集う人びとは、一人ではじめて買い物にやってきた女の子を優しく包み込んでくれます。ゆーち みえこさんによる温かみのあるタッチの絵は、そんな本屋さんの店内風景を魅力的に描いています。
主人公が本屋さんに並んだ本を見ながら、恐竜の背に乗ってお散歩することなどを夢想する場面も、なんだかいいなあと思いました。いろいろな本が並ぶ本屋さんの店内は、想像力を掻き立てる空間でもあるということを、あらためて思い起こさせてくれました。
そうそう、本屋さんの店内を描いた場面では、ちょっと嬉しくなるような趣向も盛り込まれていますので、ご覧になるときにはどうか細部まで、しっかりとご覧いただけたら、と思います。

作者であるくすのき しげのりさんは、巻末の「作者のことば」で、次のように記しておられます。

「私は、子どもが本を読むということに、限りない希望を感じます。
そして、本が好きな子に育ってほしいと願います。
なによりも、私の中に、『町の本屋さん』への安心感と信頼感があるからです」

ネット書店の成長や、出版・書店業界の制度疲労など、さまざまな要因が絡み合う中で、いわゆる「町の本屋さん」が急速にその数を減らしている昨今。本書における本屋さんの描き方には、いくぶん理想化されたところもあるように感じられます。
でも、想像力と創造力、そして夢を育む場所であり、地域の人びとが集い、交流できる場所でもある町の本屋さんの空間は、一人でやってくる子どもが安心できるのはもちろん、大人にとっても居心地のいい、地域にとって大切な「サードプレイス」であることは確かなのではないかと、わたしは思います。

この絵本の主人公、かおりちゃんのように、子どもたちみんなが素敵な本と本屋さんに巡り会えることを、願ってやみません。

Posted from スタッフ押川

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子ども以上にオトナがハマる?ふしぎ探究雑誌『月刊たくさんのふしぎ』

2017年11月17日

こんにちは。スタッフ押川であります。

『こどものとも』シリーズや『かがくのとも』など、福音館書店が発行している月刊絵本雑誌の中でも、とりわけ異彩を放つ存在といえそうなのが『月刊たくさんのふしぎ』でしょう。
「自然や環境、人間の生活・歴史・文化から、数学・哲学まで。あらゆるふしぎを小学生向きにお届けする科学雑誌」(版元サイトの紹介文より)という触れ込みの『たくさんのふしぎ』。小学生向きと謳ってはいるものの、しばしば「これは子ども以上にオトナのほうが面白く思えるんじゃね?」というようなテーマを扱ったりしていて、なかなか油断がならないのです。
今月発売された12月号「昭和十年の女の子 大阪のまちで」(牧野夏子・文、鴨居杏・絵)もまた、子ども以上にオトナが楽しめそうな内容の一冊であります。

大阪の小学4年の女の子・モモちゃんが、ひいおばあちゃんのスミ子さんから古いアルバムを見せてもらいます。モモちゃんと同じ10歳だった頃のスミ子さんとその家族を写した写真は、どれも白黒。でも、スミ子さんが語る昭和十年の大阪のまちには、華やかな色が溢れていたのです・・・。
本作「昭和十年の女の子」は、スミ子さんの思い出ばなしという形を借りながら、昭和初期に大阪で花開いていた華やかな戦前のモダン都市文化を、当時を物語る豊富な写真とともに再現していきます。

大阪で地下鉄が初めて開通したのが昭和8年。梅田と心斎橋を5分で結んだという「高速地下鉄」のことが、今も保存されている当時の車両や、絵はがきなどの写真で紹介されています。景品としてつくられたという紙製のメリーゴーラウンドは、地上の街と地下鉄、さらには空を飛ぶ飛行機が立体的に表現されていて、なかなか楽しそうです。
その地下鉄の駅から地下通路で繋がっていたのが、心斎橋の大丸デパート。大丸が出していたおもちゃの新聞広告や、年末年始用の品物や催し物を列挙した商品カタログからは、生活を楽しむことを覚えはじめたのであろう、当時の人びとのウキウキ感が伝わってくるかのようです。

昭和初期の子どもたちを楽しませた娯楽の筆頭だったのが、映画。本作には、当時人気子役だったシャーリー・テンプルの主演作や、「ポパイ」や「ベティ・ブープ」といったアニメ映画(いや、ここはやはり「漫画映画」と呼んでおきましょう)、さらには特撮怪獣映画の古典『キング・コング』といった作品の広告が載せられています。
雑誌文化も花盛りでした。女の子向けの『少女の友』に付いていた、ケース入り栞セットや花のカードゲームは、カラー印刷がまことに美しくて惹かれるものがありました。また、小学館の学習雑誌『小学◯年生』も、すでにこの時代には出ておりました。

そして、子どもたちの舌を満足させていたお菓子の数々。そこには、「明治ミルクチョコレート」や「グリコ」「森永ミルクキャラメル」、そして鹿児島生まれの「ボンタンアメ」といった、現在でもおなじみのお菓子がいろいろと見受けられて、その息の長さにしみじみ感慨を覚えます。
豊富に織り込まれた資料写真の数々もさることながら、鴨居杏さんによる淡い色彩の絵もまた、昭和初期の雰囲気に良く合っていていい感じでありました。

モダン都市文化といえば、東京の銀座あたりがすぐに思い浮かぶのですが、大阪にも実に豊かで華やかな都市文化がしっかりと存在していたということを、本作で知ることができました。
それから数年後には戦争の時代となり、華やかなモダン都市文化も「ぜいたくは敵だ」や「欲しがりません勝つまでは」といったスローガンとともに影を潜め、途切れてしまうこととなります。そう考えると、豊かで華やかな都市文化を楽しむことができる、平和な時代のありがたさも、本作を読んで感じることができました。

子どものみならず、オトナの好奇心もそそってくれる『月刊たくさんのふしぎ』。まだ読んだことがないという皆さま、ぜひ一度、お手にとってみてくださいませ。

Posted from スタッフ押川

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フリーペーパー『みやざきママパパhappy』にて絵本のご紹介、始めました!

2017年04月13日

皆さまこんにちは。スタッフ押川であります。今回のブログは、ちょっとしたお知らせを。

子育てについての情報発信やイベントを手がけるなどして、子育てに励むお母さんお父さんを支援しておられるNPO法人「みやざきママパパhappy」さんが、1年に4回出しているフリーペーパー『みやざきママパパhappy』(略称「ミヤマパ」)。今月(4月)初めに配布が始まっている最新号から、不詳、もとい、不肖わたくしが絵本をご紹介するコラムを連載させていただくことになりました!

連載第一弾として取り上げさせていただいたのは、ヨシタケシンスケさんの大ヒット絵本『もう ぬげない』(ブロンズ新社)です。
着ている服が引っかかって脱げなくなってしまった男の子の奮闘ぶりをユーモアたっぷりに描いたこの絵本。見ているだけでなんだか笑いがこみ上げてくる表紙の絵に一目惚れしてしまい、即買いして読んだ作品です。もう最初っから最後まで笑いが止まらない愉快さで、読むとHappyになれること間違いなしの、超オススメ絵本であります。

子どももいなけりゃ、まだ結婚すらしていない(苦笑)わたくしめが、こういった子育てママパパ応援フリペで絵本をご紹介していいんだろうか?という、若干のとまどいというか気おくれというかなんというか・・・があることは否めませんが、子どももオトナもHappyになれるような、楽しくて素敵な絵本を、自分なりにご紹介していけたら、などと思っております。よろしければ、どうぞお目通しになっていただければ嬉しいです。
・・・あ、これはぜひ申し上げておきたいのですが、書き手の紹介にある「けんちゃん」なる文言は、わたくしのほうから「そのように書いといてくれ」とお願いしたワケではございませぬ、念のため(笑)。

この『みやざきママパパhappy』、発行が始まって4月で10周年という、歴史と実績のあるフリペなのです(おめでとうございます!拍手パチパチパチ)。子育てに頑張るお母さんお父さんの紹介や、お役立ち育児情報、子育てサークルなどの紹介など、さまざまな子育て情報がギュギュッと詰まっております。

『みやざきママパパhappy』は、宮崎市を中心に県内14市町で、図書館などの公共施設、子育て支援センター、保育園、病院、スーパーマーケット、商店、飲食店などに配布スポットが設けられております。
まだご覧になってみたことのない皆さまはぜひ一度、お手にとってご覧になってみてくださいませ。

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愛らしさと遊び心たっぷり。岩合光昭さんの写真絵本『10ねこ』

2016年11月11日

こんにちは。スタッフ押川であります。

多くの人が思いもしなかった結末となった、アメリカ大統領選のインパクト冷めやらぬ今日この頃。ここは、「トランプ現象とアメリカのこれからがわかる本」ってのをいくつかご紹介したい気持ちにも駆られるのですが・・・まだ読んでもいない本を紹介するというのはやはり気が引けますので(これからいくつか読みたいとは思いますけども)、ここはしばらく前に出た、気持ちがほっこりするような写真絵本をご紹介させていただくことにいたしましょう。

動物写真家の岩合光昭さんといえば、世界中の野生動物の姿を生き生きと捉えた素晴らしい写真で知られていますが、岩合さんがライフワークとしているのが、日本と世界のネコたちの取材です。今年の春、宮崎県総合博物館で開催された岩合さんのネコ写真展「ねこ」を観覧された方もおられることでしょう。
今回ご紹介する『10ねこ』(福音館書店)は、その岩合さんのネコ写真から生まれた写真絵本であります。

ちょっとぽっちゃり気味のネコが、カゴにすっぽり入って気持ちよさげに寝ている「1ねこ」から、みんなして尻尾を立ててゾロゾロ歩いている「10ねこ」まで。ページをめくるごとに、画面に写っているネコの数が1匹ずつ増えていく、という趣向でまとめられた写真絵本です。

とにかく、写っているネコたちの可愛らしいこと。とりわけ、ドアの前でズラリと並んだ「6ねこ」の子猫たちの愛らしさなんて、もう反則級というかなんというか。
表紙を飾る、ゴロンと仰向けに寝っ転がったネコの写真もユーモラスでたまりませぬ。ちなみにこやつ、しばらく前までわが職場のマスコット的存在だったノラネコちゃんにそっくりと、職場ではもっぱらの評判でありました。

愛らしいネコたちの姿だけでなく、ネコたちのいるそれぞれの場所の風景も、岩合さんのネコ写真を楽しみポイントでしょう。
階段をヒョイヒョイ登る「8ねこ」のネコたちがいるのは、近くに海を望むのどかそうな集落。これを見ていると「あー、こういうところでのんびり散歩したくなるのう」などと、思ったりいたします。
それぞれの場所で、このネコたち(そして、その背後にいるはずの住民)はどんなふうに暮らしているのかなあ・・・そんなことに想像を膨らませるのも、また楽しいのではないかと思います。

愛らしさと遊び心がたっぷりの、ほっこりする写真絵本『10ねこ』。ネコ好きの方もそうでない方も、ぜひご覧になってみてくださいませ。

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ことばとあそぶ

2016年10月25日

おすすめの絵本セットのご案内です。

福音館書店の『ことばとあそぶ』です!

20161025172316.jpg

セット内容は、

・がちゃがちゃ どんどん ・ままです すきです すてきです ・おかしなおかし

・ひょっこり ひとつ・おいしい かぞえうた ・あらら ありゃりゃ 

・おおきくなったら ・ぐやん よやん ・かいものづくし ・ねこ・こども

の10冊です。どの絵本も、ことばあそびやことばのリズムを子どもと楽しむとても好評の絵本セットです!

残りの在庫も少なくなっているようですのでお早めにお買い求め下さい!

本体価格:9,000円 対象:2歳~(目安です)

詳しくは、福音館のHPをご覧ください!

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