園庭環境の提案
「遊びこむ園庭」「ものがたりを創る園庭」を目指して
子どもたちは外で思いっきり体を動かして遊ぶことが大好きです。外遊びを通して子どもたちは色々なことを学びます。勇気を持って飛び降りたり、虫を見つけたり、お花に見とれたり、どろ団子の作品を作ったり...。何もない環境では子どもたちは遊べません。環境を整えて、子どもたちとじっくり遊びましょう。
導入事例
●宮崎県西都市 岩崎保育園
乳幼児期における保育園での外遊びは、体を使って思いっきり人と関わりながら遊びこむ楽しさを味わえる場所です。
自然に近い園庭で、日常的に自由にたっぷり水や土に触れ、高低のある自然と共有した遊具で遊びながら体力をつくり、五感を養い、好きな遊びにルールがあることを知り、それを守ることで社会性なども身に付けて欲しいと願っています。
●宮崎県西都市 清水保育園
高台にある保育園の園庭に、ツリーハウスを設置しました。4歳以上の子どもたちがドキドキしながら一番上まで登ると、市内を見渡す絶景が広がります。
子どもたちの自分の空間も確保しています。何回も何回も繰り返し登っています。
遊び環境づくりの5つの基本
- 1.安全性
- 安全性は、子どもたちが本気で「遊び込む」ためには必要不可欠なものです。
「危険の分析」をして「あっても良い危険」と「あってはならない危険」に分け、遊びの環境から「あってはならない危険」を取り除くことが重要です。 - 2.機能性
- 「安全=良い遊具」という訳ではありません。遊具はあくまでも子どもたちの「育ち」を支えるものなので、その為の充分な機能と価値が備わっていなければ意味がありません。
- 3.デザイン・創造性
- 子どもたちが自由な意思で行動する時に、空想や物語を描きやすい場所と構造を有し、創造性を育むことが出来る美しいデザインであることが大切です。
- 4.品質
- 子どもたちの「文化」を創り、「学び合う」場となる遊具施設ですから、それにふさわしい材質や手触りで作られていなくてはなりません。
- 5.環境適応性
- 肌に触れたり舐めたりしても健康に問題はないか。万が一水没や火災にあっても、有毒なものが発生しないか。また安いという理由だけで、地球環境を壊す原料をむやみに用いていないか。色々な面に配慮しなくてはいけません。
園庭設計の考え方(7つの要素)
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模倣性
これまでの記憶や、友達の遊んでいる様子を見て、まねたり、一緒に行動したり出来ること。
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偶然性
ひとりでも友達と数人で遊んでいても、予期しない行動が発生する変化に富んでいること。また新しい発見の喜びのあること。
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競争性
予想され或いは決まった行動でより早く、スマートに行動が出来ること・友達とルールを決めて行動することが出来る仕掛けがあること。
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リスク性
勇気を持って試みるものがあること、そして試みた結果達成の喜びがあること。
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秘密性・特異性
大人に監視されていない、一人又は気のあった友達のみと過ごす場所のあること。また夏場は水遊び、冬場はたき火の行える特異な場所があること。
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回遊性・反復性
気に入ったことを、飽きるまで繰り返し行えるようそのルートがあること。
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陶酔性・めまい
一時的に知覚を麻痺させる要素のあること。